無料Wi-Fiが利用できるお洒落なカフェラウンジや屋外テラス、フィットネスルームにはランニングマシンやエアロバイクなどのフィットネス器具が並び、更には最新ロボットの無償レンタルが可能。そんな商業施設やタワーマンション顔負けのサービスを提供するのはオリックス株式会社の大型物流施設「松伏ロジスティクスセンター」です。
同センターは東京都心から約30km圏内の埼玉県北葛飾郡松伏町に位置し、延床面積23,405坪、最大8テナントの入居が可能な大規模マルチテナントです。2019年4月16日に竣工を公表すると、TBS NEWSなどがそれを報じました。センターのコンセプトは「働きながら健康を促進する」というもので、共用部に併設されるフィットネスルームやカフェは自由に利用可能です。
更に詳細な健康管理を希望するテナントは、メドケア株式会社が提供する健康推進プログラム「Medically(メディカリー)」を活用することもできます。スマートフォンアプリと連動して日々の歩数管理などができるリストバンド型ウエアラブル端末を無償レンタルし、必要とあらば医師や管理栄養士にオンラインで医療相談や栄養相談できるという、至れり尽くせりなプログラムです。
無償レンタルはウエアラブル端末だけではありません。HIKVISION社製の自動搬送ロボット「Latent Mobile Robot(レイテント・モバイル・ロボット)」や、ZMP社製の台車型物流支援ロボット「CarriRo® (キャリロ)AD(自律移動モデル)」などの最新物流ロボットの無料レンタルも行われます。これらを活用することで、従業員の負担が軽減される他、高齢者や女性など、幅広い人材の確保に繋がるのではないかと期待されています。
このような健康管理サービスを行う背景には、深刻な人手不足があります。少子高齢化の煽りを受け、多くの企業が抱えている問題ではありますが、物流業界においてはより顕著で、近年のネット通販による商品の多様化・多頻度化が急速に進展したことも影響しています。
オリックス 清田衛 物流事業部長は番組の取材に「環境が悪いのが今までの物流だったので、それを改善したい」とコメントしていました。人材も不足する中で、目まぐるしく変化するニーズに追いつくことは容易ではありません。
慢性的な人手不足はコミュニケーションの悪化や若手社員の離職など深刻な問題を引き起こし兼ねない喫緊の課題です。その解決策として注目されるのが“健康管理”です。健康管理サービスを行うことは、健康保持・増進やパフォーマンス向上に繋がり、高齢になってもいきいきと働く環境づくりに貢献します。これまでは健康診断等の健康管理が一般的でしたが、現在ではフィットネスジムや運動の促進などの、より具体的な管理方法を提案していく段階にあり、人材確保の戦略として活用され始めています。
参照:
オリックス株式会社┃埼玉県で大規模マルチテナント型物流施設「松伏ロジスティクスセンター」竣工~業界初、働く方の健康を推進するヘルスケアサービスを提供~
オリックス株式会社┃自社開発の物流施設テナント向けにロボットを無償レンタル自動搬送ロボットなど、新しく2機種の取り扱いを開始
「働きながら健康管理」の物流倉庫、ジム・カフェを併設