YKB-9(Yokohama Baseball-9)は、神奈川県学童野球指導者セミナーにも参加されている横浜市スポーツ医科学センターリハビリテーション科の坂田淳氏(理学療法士)らが開発した子供の投球障害を予防するプログラムです。
投球動作は肩や肘に大きな負担をかけます。体が成長しきっていない子供ならなおさらのことです。野球肘の発生のピークは11~12歳と言われ、投手をしている小学生の4人に1人が肘痛を抱えているとの報告もあります。
YKB-9は、9種のストレッチと9種のエクササイズを行い所要時間は20分程度です。
関節可動域が良好に
横浜市の小学5年生以下の野球選手484名を、練習後や自宅でYKB-9を行ったグループと、行わないグループに分類し、1年間調査したところ「YKB-9を行ったグループでは投球障害の発生率が40%低下した結果となった」
成長期の予防が大切
肘を痛めたプロ野球選手が行う治療として最も有名なのが「トミー・ジョン手術」です。昨今は大谷翔平選手やダルビュシュ有選手が行っているのが有名です。
トミー・ジョン手術を簡単に説明すると、損傷した肘の靭帯の代わりになる腱を前腕から移植する手術です。術後の復帰は「12~16ヶ月」程かかるといわれ、そのためプロ野球選手であれば約1シーズン以上をリハビリに費やすことになります。実は、このトミー・ジョン手術を受けている患者の4割が高校生以下であることをご存知でしょうか。
ケガをしてから治療を行っても元に戻る保証はありません、手術が100%成功しリハビリを頑張っても障害が残ることも考えられます。まずは、今できることから始めましょう、ケガをしないように予防することが一番大切です。