ちくわ、カニカマ、タラのフライ。意外にも、これらには卵と同等以上の良質のタンパク質が含まれている。日本水産株式会社(ニッスイ)の食品機能科学研究所の研究によると、筋肉の材料に使われるタンパク質の質について、卵が100とすると、スケトウダラは104と、質の上で上回る。実際に筋肉の原料となるタンパク質は摂取中97%にもなるという。
食べれば筋肉が増える!
「ヒップを丸く、大きくしたい!」「瞬発力が欲しい!」そんな人にはピッタリの食品かもしれない。何故ならスケトウダラタンパク質に筋肉肥大効果があることが発見されたからだ。ラットにスケトウダラ配合食を与える実験では、速筋が増加する結果となった。
速筋(そっきん)と遅筋(ちきん)
速筋 と言われてもピンと来ない方が多いだろう。平たく言えば、筋肉を直接見た時に白っぽく見えるのが「速筋」、赤いのが「遅筋」だ。筋肉繊維であり、特定の筋肉名ではない。
速筋は瞬発力を司り、パワーを向上させる。鍛えることで大きくなる一方で持久力は低い。短距離走選手やウエイトリフティングの選手のような瞬時に爆発的な力を発揮するアスリートに求められる。ダイエットで言えば、メリハリの効いたボディメイクや内蔵脂肪を減少させるのに役立つ。鍛え方は無酸素運動が効果的だ。
遅筋は持久力にすぐれ、脂肪を燃焼してくれる。一方で、鍛えてもあまり大きくなることは無い。遅筋を鍛えることで増すのは筋肉ではなく毛細血管であることが分かっている。マラソンランナーのようなスタミナが必要なアスリートに求められる筋肉だ。体のラインを細く見せたいなら遅筋を鍛えるのが効果的だ。有酸素運動で鍛えることができる。
速筋と遅筋の割合は遺伝によって決まっているとされ、一種の持って生まれた“才能”のように考えられているが、どうやらスケトウダラタンパク質で速筋が増加するようだ。
いくら速筋が増えたところで、割合自体は変わラないのかも知れない。だが、眠っていた筋肉を目覚めさせることができるのなら、速筋不足で実現できなかったことができるようになる可能性は高い。もちろん外見的な変化も現れるだろう。
高齢者にも有効!
ニッスイは高齢者を対象とした実験も行っている。年平均1-2%筋肉が減少する65歳以上の女性にスケトウダラのタンパク質(スケトウダラミンチ)4.5gを3か月間食べ続けてもらった。その結果19名中15名の筋肉が増加する結果となった。
どれくらい食べれば良いのか
スケドウダラタンパク質の摂取目安は1食20g以上と言われているが、とりあえず実験で効果のあった4.5gは最低限摂取しておきたいところだ。スケドウダラは多くの加工食品に主原料として使用されているが、タンパク質としてはどれくらい含まれているのだろうか?そこでニッスイは原料にスケドウダラ100%を含む食品の摂取目安を公開した。
ちくわ 1本(約33g)
半身(約30g)
フライ 1個(約60g)
かに風味かまぼこ(カニカマ) 1.6本(約50g)
おさかなミンチ (約30g)
職種や趣味にも影響
スケトウダラタンパク質の効果はスポーツ、フィットネス、ダイエットだけではなく、仕事や趣味にも影響する。例えば楽器演奏だ。ピアノを何年も、いや何十年も弾いているのに早いテンポで演奏できないという方は案外多い。ギター等の弦楽器も同様で、指のトレーニンググッズまで販売されている。しかし、演奏に慣れようと何度も練習したり、指用トレーニンググッズを試したところで遅筋ばかりが鍛えられている可能性が高い。才能が無いのではなく速筋をうまく使えていないのだ。「俊敏な動き」や「パワー」についてお悩みの方は、スケドウダラを取り入れて試してみては如何だろうか。