「牛乳は骨を強くする」「実はそれは嘘で弱くする」ここ数年で様々な情報が錯そうしていますが、雪印メグミルクがこの議論に決着をつけてくれました。牛乳に含まれるたんぱく質「MBP」の摘出に成功し、実際に女性長距離ランナーの骨質を改善させることに成功したのです。第29回日本臨床スポーツ医学会学術集会でその成果が発表されています。
牛乳に含まれるMBPが骨の代謝をUP
「MBP」は牛乳由来の機能性成分です。牛乳の中に僅かに含まれ、骨からカルシウムが溶け出すのを防いだり、カルシウムを骨に定着させる働きがあります。「MBP」40mgを6か月摂取することで骨密度が平均30%増加します。
名城大学女子駅伝部が効果を実感
月経異常や疲労骨折に悩む名城大学女子駅伝部の選手に「MBP」40mgを6ヵ月間摂取してもらったところ、骨質を弱くしてしまう「ペントシジン(AGEs)」が改善されたことが分かりました。
ペントシジンは骨の強度を低下させ、骨粗鬆症につなげてしまう悪玉架橋です。骨密度が増加することは確認されていましたが、今回の実験で骨質の改善までできることが分かりました。
牛乳1本に10mlのMBP
牛乳をたくさん飲むことで骨の代謝を助け、丈夫にできることは分かりましたが、具体的にどれくらい牛乳を飲めば効果があるのでしょうか?
MBPの理想摂取量は1日40mg。MBPは牛乳の成分のうちわずか1%という希少成分なので、1杯200mlの牛乳を4杯、800mlは飲まなければなりません。牛乳パック1Lを毎日買う必要がありますね…。
実は私、1日1L牛乳を飲む人なので特段多いとは感じなかったのですが、普通はそんなに飲まないですよね。日本人には体質的に牛乳を受けつかない方も多いですし、そういった方向けのMBPのみを摘出したものや、MBPを多く含んだ牛乳も販売されています。
名城大学女子駅伝部 米田勝朗監督は今回の研究について以下のようにコメントしています。
「本学の女子駅伝部では食事の中で骨に良い栄養素を意識して摂っていますが、4年前から「MBP」を含む商品を摂取するなど、更なる骨の健康促進に努めています。
「MBP」を摂り始めて、定期的なメディカルチェックで大きなトラブルもなく、コンディション維持がしやすくなりました。おかげ様で、全日本大学女子駅伝で3連覇という快挙を達成できました。
これからも競技力を高める上で、骨の健康は非常に大切と考えます。」