スタンフォード大学が1000人のボランティアを集めて行った睡眠時間と肥満の関係性についての研究によると、「睡眠時間6~7時間の人は概ね肥満度が低く、それより睡眠が短くても、長くても肥満度が高まる」ということがわかりました。ではなぜ、睡眠と肥満度か関係するのか、睡眠不足を解消するための睡眠の質を高める習慣をご紹介します。
睡眠不足だと「食欲を抑制」するホルモンが減少する!
睡眠不足に陥ると、食欲を抑制する「レプチン」というホルモンの分泌が減少して、逆に食欲を増加させる「グレリン」というホルモンの分泌が増加します。
ホルモンバランスの変化により、食欲が高まり必要以上のカロリーや栄養素の摂取をしてしまい、結果として肥満へとつながり、肥満からはさらに、糖尿病などの生活習慣病の発症へとつながると考えられています。
また、最近の研究では睡眠不足はアルツハイマー病の発症リスクをあげるという研究結果も発表されています。
睡眠の質を高める習慣付け
リスクは理解できるが、十分な睡眠の時間を常に確保することは難しい、、、という方も多いと思われます。
そこで、睡眠の質を少しでもあげる習慣付けを行ってみてはいかがでしょうか。
睡眠と体温の関係
赤ちゃんや幼い子どもを寝かしつけていたり、抱っこしていると、手が暖かくなってきてそのまま寝てしまった、というような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は「体が温まると眠くなる」のではなくて「温まった体温を手足から放熱することで、深部体温が下がるので眠くなる」というのが正しいとされています。
この体温の変化に注目しながら睡眠の質を高める習慣をご紹介していきます。
・食事の時間
寝る前3時間以内の食事は、睡眠の質を悪くする可能性があります。まず、食事の中にはカフェインなどの覚醒作用のある成分を含んでいることもあります、またアルコールには眠りを浅くし、夜間の覚醒につながる恐れがあります。
また食事後は、消化器官に血液が集中するため、手足からの放熱を妨げる要因にもなります。
・軽い運動
運動により一時的に体温が上がり、これを放熱することで体温が下がり入眠を促してくれます。ただ激しい運動は交感神経を刺激して覚醒させてしまうので、寝る前の2時間ほど前に適度な運動をすることをおすすめします。
・入浴
就寝前には「ぬるめ」のお風呂に浸かることをおすすめします。「熱いお湯」は交感神経を刺激してしまいますし、シャワーも肌への刺激を与えるため交感神経を刺激します。覚醒したい朝は「熱いシャワー」、入眠前は「ぬるめのお湯で弱めのシャワーとお風呂にしっかり浸かる」ことをオススメします。
40度のお風呂に15分、温まった体温を90分かけてゆっくりと放熱しますので、そのタイミングで入眠するとスムーズな入眠が期待できます。
・入浴後の過ごし方
ぬるいお風呂に浸かり、副交感神経が優位になりやすいので、さらにリラックス効果を高めるために、ヨガやストレッチをおすすめします。
深い呼吸を心がけることによって、血流をよくする働きもあるので、よりスムーズな放熱を促してくれる効果も期待できます。
その他にも睡眠の質を高める方法としては、寝室環境を見直してみたり、朝起きたら日光に当たるようにして生活サイクルを整えるなども効果的だと言われています。
すべての生活習慣を改善することはなかなか難しいと思いますので、まずは生活の一部分であり一番大切になる睡眠を見直すことで、生活サイクルの基盤ができます。この基盤を土台にダイエット習慣や食生活の改善などをマイペースに行ってみてはいかがでしょうか。