体質改善 2019.07.28

健康長寿を実現するための「フレイル予防」いつまでも活動的に過ごすためにできること

フレイルとは

フレイルとは『健常な状態から要介護へと移行する中間の段階』と言われています。

●当てはまるものはありますか?

最近、少し痩せてきた。

前よりも疲れやすくなった。

外出することが面倒くさい、外出したくない。

少しのことですぐ息切れしてしまう。

これからは、加齢により誰しもに起こり得ることです。 これらのことをそのままにしてしまうとフレイルの悪循環に陥り、健康寿命を縮めてしまう恐れがあります。

●フレイルの悪循環

身体的:体力筋力が低下し活動的でなくなる、食事量も減少する」

社会的:閉じこもりがちになり、社会交流が減る」

精神的:認知機能の低下、意欲や判断力の低下」

フレイルの悪循環を繰り返すことで、徐々に認知症やロコモティブシンドロームなどのリスクを上げてしまう』
※特に社会との繋がりを失うことがフレイルの最初の入口と言われています。

フレイルのセルフチェック

身体的チェック

体重減少
6ヶ月で、2~3kg以上の体重減少
筋力低下 握力男性<26kg 女性<18kg
疲労感ここ2週間で、わけもなく疲れたような感じがする、など
歩行速度通常歩行速度<1.0m/秒
身体活動①軽い運動・体操をしていますか?
②定期的な運動・スポーツをしていますか?
上記の2つのいずれも「していない」と回答

該当項目
0項目:健常
1~2項目:プレフレイル(フレイルに至らないが前段階)
3項目以上:フレイル

総合的フレイルチェック

1バスや電車で1人で外出しますか0.はい1.いいえ
2日用品の買い物をしていますか0.はい1.いいえ
3預貯金の出し入れをしていますか
0.はい1.いいえ
4友人の家を訪ねていますか0.はい1.いいえ
5家族や友人の相談にのっていますか0.はい1.いいえ
6階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか0.はい1.いいえ
7椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち
上がってますか
0.はい1.いいえ
815分間位続けて歩いていますか0.はい1.いいえ
9この1年間に転んだことはありますか1.はい0.いいえ
10転倒に対する不安は大きいですか1.はい0.いいえ
116ヶ月で2~3kg以上の体重減少はありましたか1.はい0.いいえ
12BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
18.5未満は、はい
1.はい0.いいえ
13半年前に比べて堅いものが食べにくくなりましたか1.はい0.いいえ
14お茶や汁物等でむせることがありますか1.はい0.いいえ
15口の渇きが気になりますか1.はい0.いいえ
16週に1回以上は外出していますか0.はい1.いいえ
17昨年と比べて外出の回数が減っていますか1.はい0.いいえ
18周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの
物忘れがあると言われますか
1.はい0.いいえ
19自分で電話番号を調べて、電話をかけることを
していますか
1.はい0.いいえ
20今日が何月何日かわからない時がありますか1.はい0.いいえ
21ここ2週間、毎日の生活に充実感がない1.はい0.いいえ
22ここ2週間、これまで楽しんでやれていたことが
楽しめなくなった
1.はい0.いいえ
23ここ2週間、以前は楽にできていたことが今では
おっくうに感じられる
1.はい0.いいえ
24ここ2週間、自分が役に立つ人間だと思えない1.はい0.いいえ
25ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする1.はい0.いいえ

▼評価シート

項番チェックの目的フレイルの可能性がある点数
1~20日常生活全般10点以上
6~10運動機能3点以上
11~12栄養状態11が「はい」でBMIが18.5未満の人
13~15口腔機能2点以上
16~17社会的交流16が「いいえ」の人
17が「はい」の人は要注意
18~20認知機能1点以上
21~25心理状態2点以上

※ 日本老年医学会雑誌第55巻第3号 基本チェックリストとフレイルを参考に作成

健康寿命を延ばすのに大切な5つのポイント!

【ポイント①:運動】

少しの運動でも継続して行うことが大切です。ウォーキングや筋トレなども良いですし、ハイキングやゴルフのような体を動かす趣味を継続的に行うこともオススメです。ケガをしてしまうと身体活動が落ちてしまうので、無理のない範囲で行えるものがオススメです。

【ポイント②:社会参加】

社会参加の機会が減少することがフレイルの入口と言われています。地域のボランンティアや町内会の活動、思い切って習い事を初めて見るのもとても良いことです。ポイント①にも記載しましたが趣味による人との繋がりも大切です。

シニア世代にオススメの習い事ランキング
第一位・・・語学
第二位・・・料理
第三位・・・スポーツジム
第四位・・・楽器

【ポイント③:栄養】

主食・主菜・副菜・汁物を1食としてのバランスの良い食事を意識することが大切です。筋肉のもとになる肉・魚・卵・大豆製品や、骨粗鬆症予防の為に牛乳や乳製品を摂取することをオススメします。またよく噛むことで口腔機能の維持に役立ちます。

【ポイント④:口腔ケア】

がん、心疾患、脳血管疾患の三大疾病に続き、日本人の死亡原因の4位にくるのが肺炎です。肺炎を原因とした65歳以上の死亡率は96%と言われています。高齢者の肺炎は誤嚥(唾液・たん・食べ物が気管に入り込むこと)に起因していることが知られています。

歯磨き、入れ歯の手入れなどを怠ってしまうと、歯が抜けたり、入れ歯が噛み合わなかったりと食べ物を噛む能力が衰えてしまいます、噛むことができないので次第に柔らかいもを食べるようになると、次は嚥下機能(正しく飲み込む能力)も衰えてしまいます。嚥下機能が衰えてしまうと誤嚥を起こすようになり肺炎を引き起こすリスクが急増します。一度衰えてしまった能力を元に戻すことは困難です、まだ健康なうちに意識をして能力を維持することが大切です。

また、歯が抜けたり、入れ歯が噛み合わなくなったりしていることを恥ずかしいと思い「話したくない」「見られたくないと」人と距離をとってしまいがちになることもあります、そうなると社会との繋がりも少なくなってしまいます。

【ポイント⑤:持病のコントロール】

既に糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、慢性疾患などの持病や、既往歴がある方の場合、その持病や自分の体質をコントロールして悪化や再発させないことが大切です。病との戦いは体力・気力ともに低下しますし、行動も制限されます。ドクターなどと相談をして、持病のコントロールとフレイル予防を行ってみてください。

健康寿命を延ばすための5つのポイントも大事ですが、まずは本人が「気付く」ということが一番大切です。自分が衰えてきたということは、なかなか気付きにくいことですし、ご本人もプライドなどが邪魔をして認識をしたくないものだと思います。そのためにできることは、ご家族や周りの方の第三者が声をかけをすることが大切になってきます。まだ大丈夫なうちに将来の事を考えて行動することが健康寿命を延ばす第一歩目です。

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