近年、ジムに特別な体験を求める人が増えている。利用者が、ただ機材を並べているだけのジムよりも、24時間営業のジムや暗闇フィットネスの様な付加価値を求め始めたからだ。この傾向に注目して新たなトレンドを生み出そうとする動きがある。東京ビッグサイトで開催中の日本最大のスポーツ・健康産業展示会「SPORTEC2019」では、テクノジムが新しいフィットネスジム 「CLUB4.0」の世界観をブースで公開している。
テクノロジムでは、ランニングマシーンもただ黙々と足を前後させる道具ではない。利用者同士で野外レースのように競争することができるのだ。独自のデジタルプラットフォーム「mywellness」は、フィットネスジムや野外で行うすべてのアクティビティが記録された施設と会員をつなぐ業界初のクラウド型ソリューションだ。ユーザーそれぞれに最適なトレーニングを構築するだけではなく、ユーザー同士や担当トレーナーと繋がりをもつことも可能だ。
現在公開中の「CLUB4.0」では、誰もがシームレスで利用しやすく、魅力的なトレーニング体験が出来る「ブティックモール型フィットネスジム」として運用されており、デジタルプラットフォーム「mywellness」を活用し、より魅力的なフィットネスの形を提案している。達成感の共有やトレーニングの継続性を高められるという利点もあるらしい。確かに、トレーニングを続ける為の手段の一つなのかもしれないが、これはフィットネスのアクティビティ化といっても過言ではない。
気が付けば、10年前までは珍しかった24時間ジムも、今では当たり前のように目にすることができるようになった。利用者のニーズから変化し続けるフィットネスカルチャーは、今の所「利便性」という付加価値を求めているように見える。しかし、「CLUB4.0」の様なアクティビティ化したフィットネスが広まれば、フィットネスの目的自体が変わってくる。「楽しむついでに自分磨きができればいい」そんな利用者も出てくることだろう。
気が合う恋人やともだち同士でジムに通う人もいるだろう。現段階ではただのジム通いで、ジム内では別々に過ごすことだってある。もし、ジム通いが自分磨きもできるデートや遊びとして捉えられた時、ジムに通う意味や目的が変化していくだろう。トレーニングが、辛くて長い自分との戦いである時代は、過去のものになっていくのかもしれない。