2020東京オリンピックのマラソン代表選手を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が2019年9月15日、東京で行われました。普段の記録を目指す試合とは違い、今回はオリンピックがかかっています。その為、通常では中々見られない激戦が繰り広げられました。そんな中、やたらと目立ったピンクのシューズ。今回も多くの選手がナイキの厚底ランニングシューズを履いてこの熱い戦いに挑みました。厚底シューズ新作「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」です。
選手の半数がピンクシューズを着用
デッドヒートをトップで制し、今回マラソン代表切符を手にした1位の中村匠吾選手、2位の服部勇馬選手、女子では鈴木亜由子選手も「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」を使用していました。なんと今回約半数の選手が使用していたそうです。
ランナーの方は勿論、ランニングがライフワークという方から、走るのがちょっと好きという方まで、このナイキのピンクシューズが気になった方は多いのではないでしょうか。
「厚さより速いものはない」と言い切ったキャッチフレーズの「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」は、オレンジシューズで話題となった「ズーム ヴェイパーフライ 4%」の改良版です。
前作オレンジシューズとの違い
今回3位の大迫傑選手が「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」を初めて手にする様子をナイキのプロモーションで見ることができます。
動画ではオレンジシューズ「ズーム ヴェイパーフライ 4%」との違い、特にソールについて語られています。素人目には「まぁ、変わったんだろうね」程度の差ですが、踵部分の厚みが増したことで、より推進力が増したようです。
また、アッパーがニットからナイロンになったことも大きな違いで汗や雨を吸いにくくなりました。
選手は普段から厚底なのか?
福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソンで2時間5分49秒を突破した選手がいない場合にオリンピック代表資格が得られる大迫選手。日本では厚底シューズの顔ともいえる存在ですが、普段から厚底なのでしょうか?
実は練習によってシューズを使い分けているそうです。遠距離を走るトレーニングなど、推進力が欲しい時に着用するそうです。
厚底ブームの理由
ここまで多くの選手が厚底シューズを使用するなら、もっと以前からランニングシューズは厚底が主流であるべきだったとは思いませんか?しかし、厚底ブームの以前は薄いソールが主流でした。その理由は“重さ”にあります。
ランニングシューズの理想は、とにかく軽いこと。その為に、ソールは薄くても仕方が無いものだったのです。裸足のように軽く走れる靴が求められてきました。
しかし、近年技術の発達で、厚底でも軽く、そしてバネのある靴を作ることが可能となりまいた。「ナイキズームXヴェイパーフライネクスト%」はミッドソールを15%も増量しているのですが、それでも前作の「ズーム ヴェイパーフライ 4%」と重さは変わらないのだとか。
素材がナイロンへと変更されたのも、“軽さ”を追求するためです。汗をかいたり、雨が降っても、水分を吸収しにくいので重たくなりにくいのです。この様な変更は湿気と暑さで厳しい状況が予想される東京2020オリンピックを意識した変更のようにも感じますね。