ダイエットニュース体質改善 2019.12.28

ダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

ダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

ケンブリッジ大学の研究者らは2019年9月30日、“達成可能”な減量で2型糖尿病の寛解が可能だという研究結果を公表しました。糖尿病は日本でも患者数が多く「三大成人病」の一つとして挙げられていますし、世界では、なんと4億人が罹患しています。不治の病とされてきましたが、ダイエットによって寛解した方が実在するのです。

“緩め”のダイエットで寛解する!

-10%減量ダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

2型糖尿病の5年の追跡調査で寛解の可能性を探る研究が行われました。この研究に参加したのは、新たに糖尿病と診断された40歳~69歳の867名です。このうち、ダイエットにより寛解した方は30%にあたる257名!

特に診断から5年以内に10%以上の体重減少を達成した人は、 体重が変わらなかった人に比べて寛解した確率が2倍以上高かったのです。実は「ダイエットで2型糖尿病が改善する」という考えは以前からあるにはあったのですが、厳しいダイエットが提案されていた為に殆どの方が達成できずにいました。しかし、今回の研究は5年で10%。被験者への集中的なライフスタイルの介入や極端なカロリー制限なしで達成したものです。

今回の研究結果により、2型糖尿病と診断された時点から減量を達成できる様により大きな注意を払うことの重要性が明らかとなりました。

研究チームは現在、2型糖尿病患者の持続的な体重減少のための最善の方法を明らかにするために、GLoW(体重管理によるグルコース低下)と呼ばれる研究に取り組んでいます。そして、こんな募集も行っていました。

「過去3年以内に2型糖尿病と診断され、体系的な教育プログラムに参加せず、ウィスベック、イーリー、またはアデンブルックの病院にあるテストセンターのいずれかを訪問できる個人を募集しています。」

診断を受けてからの5年の間にダイエットを行えなかった方でも、寛解する可能性があるのかどうかが判明するかもしれませんね。

実際に痩せて治った二児の父

ビフォーアフターダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

二児の父であるストックポートのジョーパターソンさんはダイエットで2型糖尿病の治療に成功した人の一人です。ジョーさんは両親を失ってからというもの食べ物に癒しを求めるようになりました。もともと健康を意識したことは一度もなく、2017年のクリスマスにはついに2型糖尿病の宣告を受けてしまったのです。

体が大きくなっても何の注意も払わなかったジョーさんの頭を過ったのは娘のことでした。

「私にとって物事が変わり始めた時です。私は長生きし、まだ小さい私の娘の成長を見たいと思いました。」

実は亡くなったお父さんも大柄で、ジョーさんが“糖尿病宣告”を受けた時の体重は、お父さんの全盛期の体重とたった2ポンドの差だったのです。体重はお父さんの健康に大きな影響を及ぼし、悲しい別れを経験しました。歴史を繰り返さないためにも、ジョーさんは体重計を購入しダイエットの一大決心をしたのです。

治った人ダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

ジョーさんが実践したダイエットは、1984年英国発症のケンブリッジダイエット(1:1ダイエット)です。食事は代替食バー、スムージー、シェイク、スープを組み合わせたものを摂り、毎日415から1,500カロリーを消費するという徹底ぶり。その結果、見事に寛解したのです。糖尿病と判断されてから、すぐに行動できたことが功を奏したと言えますね。

ジョーさんのダイエットについてDiabetes UKはウェブサイトで、低カロリー食を始める前に医師に相談するように注意を促した上で、以下のようにコメントしています。

「低カロリーの食事が2型糖尿病の治療または管理に使用できることを示すいくつかの証拠があります。

ジョーさんの食事は、代替食の短期計画です。このタイプのダイエットは、すべての人に適しているわけではありません。」

5年以内に体重の10%の減量をすれば良いわけですから、無理にキツイダイエットをする必要がないのです。これはすべてのダイエッターに言えることでもありますね。目標達成までに時間をかけることは、達成後のライフスタイルにも良い影響を及ぼします。とはいえ、ひとたびダイエットを始めると結果を焦ってしまうのが人の性です。

ダイエットで目に異常をきたした日本人

目の異常ダイエットで2型糖尿病が寛解する可能性

NHK2012年8月30日(木)放送の「クローズアップ現代 糖尿病の“常識”が変わる」によると、糖尿病に悩んでいた男性が自己流の糖質制限ダイエットを行い、2か月で血糖値の指標を大幅に改善させました。その一方で、足の筋肉が低下してしまい、手すり無しでは階段も登れない上に、視力にも異変が生じてしまったのです。血糖値を急激に下げ過ぎた為に体中に異常が起きてしまったものと見られています。

足と目は、糖尿病患者が影響を受けやすい部位です。治療で一時的な老眼を発症する方も多く存在しますし、医者監修のもとで異常が出ても、然程恐れることも無かったりします。この男性も「冷静にちゃんと指導でやっていればよかった。」と番組内でコメントしていました。

ダイエットには相談相手が必要

糖尿病や糖尿病リスクの高い方がダイエットを行う際には医者への相談が必須です。ジムへ通うなら、トレーナーにも伝えましょう。自己流ダイエットにならないように注意してください。

加えて、特に病気もなく単純にダイエットをしたい方も、誰にも内緒でダイエットを始めるよりは、相談相手を持つことをオススメします。

ダイエットに夢中になってしまうと、極端な方向へと傾いてしまう方を多々見かけますし、私自身もその傾向があります。間違った方向へ進んだ時に「それは違うんじゃない?」とアドバイスをくれる相談相手がいるだけでも、ダイエットに潜む危険や失敗、挫折の回避に繋がります。

オススメ

参照:Dambha-Miller, H et al. Behaviour change, weight loss and remission of type 2 diabetes: a community based prospective cohort study. Diabetic Medicine; DOI(2型糖尿病の行動変化、体重減少および寛解:コミュニティベースの前向きコホート研究)

Type 2 diabetes: Father of two puts diabetes into remission with this diet – what is it? 

クローズアップ現代┃糖尿病の“常識”が変わる 

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