日本人の約3人に1人、約4000万人の人が高血圧だと言われています。高血圧の診断基準は「収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上」が高血圧となります。
高血圧の状態が長く継続すると、血管の柔軟性が失われる動脈硬化、脳卒中、狭心症や心筋梗塞、腎臓病などのリスクが高まります。
日本人の高血圧の90%以上は、本態性高血圧と言われ、これは高血圧の原因がはっきりしない状態で、食生活・ストレス・過労・肥満・遺伝などさまざまな要因が重なり合っていると考えられています。
運動療法が効果がある理由
運動療法の対象者はⅡ度以下の血圧値で心血管病のない高血圧患者であることととされていまします。(Ⅲ度を超える血圧の方は降圧後に運動療法を施行してください。)
主に有酸素運動が良いとされています。ではなぜ、有酸素運動が良いとされているのでしょうか?
①心肺機能の強化
体の毛細血管のすみずみまで血液を届ける事ができるようになります。血圧が高いことは血液の渋滞が起きているということです、それをスムーズに流れるように改善しましょう。
②利尿作用
利尿作用が活発になり、体液量が低下することで血圧が下がる事がわかっています。
③インスリン分泌量の低下
インスリンの働きがよくなり、分泌量が減少します。インスリンのもつ血圧上昇効果が弱まります。
オススメの運動療法
高血圧症の方には、プールエクササイズがオススメです。オススメの理由は以下の通りです。
①ケガのリスクが低い(浮力)
長期的に継続することで、高血圧の改善から、通常血圧の維持にシフトすることで健康を保つ事が大切ですので、ケガをせずに続けられることは大きなメリットです。
②水中では血圧がさがる(水圧)
水圧により血液を心臓に戻す静脈のポンプ作用がサポートされます。血圧を5mmHg下げただけでも心臓病や脳卒中のリスクを最大14%下げると英国心臓財団のドイルアン・マドック氏は指摘しています。
③適度な負荷がかかる(拮抗)
水中は早く強い動きをすればするほど、それに比例して負荷も強くなります。この負荷でトレーニング効果を得られます。
④消費カロリーUP
水中では体温が奪われるため、私たちの体は体温を上げる為にカロリーを消費します。よって消費カロリーがUPします。
⑤リラックス効果(浮力)
水み浮いているだけでも体の力を抜くことができ、体のさまざまな部分が緊張から開放されリラックス効果があり、ストレスの解消につながります。
ただし、注意点もあります。まずⅢ度を越える高血圧の方はまずは降圧後に運動療法を行って下さい。
また、潜水は避けたほうが良いでしょう、深く潜れば潜るほど水圧がかかり、陸に上がれば降下していた血圧が一気に元に戻ります。潜水はさけ、プールから上がる際も徐々に浅い方へ移動し体を慣らしながら上がることをオススメします。
水中では、重力から解放されついつい運動をやりすぎてしまいがちです、思っていた以上に体力を失っていますので、何事もやりすぎには注意が必要です。
以上のことや、現場のプール監視員やインストラクターの注意を守ってプールエクササイズを行ってみてはいかがでしょうか。