2019年11月20日放送のNHK番組「あさイチ」の特番「理想の食とは!? 糖質の新常識SP」の内容が週刊誌で取り上げられたことで、反響を呼んでいます。特に反響を呼んでいるのは「糖質制限が死亡率上昇につながる」という点です。
番組内容は「丁度いい量の糖質を!」
番組の内容は糖質制限を全否定するものでは無かった…というのが個人的な印象です。糖質は多すぎても少なすぎても悪影響なので、肥満や糖尿病では無い限り自己流や過度な制限は避け必要な量を把握するべきといった内容が強調されていました。
※番組で紹介された“食品の糖質量”を参考につくった一覧です。
活動的でない40代女性で1日220g以上の糖質が必要とされています。
しかし、番組の中で取り上げられたアメリカ・シモンズ大学の研究チーム、2010年発表のLow-carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality(低炭水化物食と全死因および原因別死亡率・英文です)が衝撃的だった為に、糖質制限中の方や思う所のある方の心をざわつかせてしまったようです。
低炭水化物食と死亡率
研究は20年以上の追跡調査で、死亡率を割り出すものです。対象となった被験者は心臓病、癌、糖尿病が無い85,168名24~59歳の女性と、44,548名40~75歳の男性で、女性は1980年から、男性は1986年から20年もの間、低炭水化物食と看護師の健康調査、そして医療専門家の追跡調査を受けました。
20年間で亡くなった方は徐栄で12,555名、男性で8,678名です。
低炭水化物食で1.3倍の死亡率…だけど
この結果は、全体的な死亡率よりわずかに(1.3倍)高かったそうです。研究結果では“わずかに”と表現されていますが、NHKでは“1.3倍も!”と表現されていました。
低炭水化物食の中でも動物性の低炭水化物食を実践していた方の死亡率の方が高かったようです。ただし、その一方で野菜の低炭水化物スコアが高いほど、全死因死亡率が低くなっています。
体質や日本人の腸内細菌も重要な要素
日本人には脂肪燃焼を促したり、免疫機能を高める効果につながる腸内細菌プリボテラ菌が全腸内細菌の7.5%存在しています。炭水化物を餌としている菌なので低炭水化物食で減少してしまいます。
中には炭水化物を制限してダイエット停滞期になってしまい、炭水化物を摂ったら体重が減り始めた経験のある方もいるかと思います。炭水化物で“痩せる”訳ではありませんが、摂取しないことで“痩せにくい”という人もいます。
オススメ
糖質制限が“悪”ではない
メディアの極端な言いまわしで誤解しないで欲しいのが、誰も“糖質制限はダメだ”とは言っていないことです。明らかに糖質を摂取しすぎている方や、肥満体形の方、糖尿病や、糖尿病の家族がいる方(リスクを抱えている方)は糖質を制限する必要があるでしょう。
自己流で「炭水化物を絶対に食べない!」となるとリスクがあるという、これまで言われてきた注意点と同様の内容です。“極端なことはしない”というダイエットの絶対条件を忘れずに、健康的に楽しんでいきたいですね。