軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の“早期発見テスト”と“認知症リスク低減運動プログラム”を搭載したデジタルコンテンツ「アタマカラダ!ジム」の最新版第3弾が4月1日にリリースされました。「アタマカラダ!ジム」は有酸素運動を行いながら、脳の各ドメイン(記憶、実行機能、言語、視空間認知、注意、見当識)を刺激するデュアルタスク運動を定期的に実施するというプログラムです。簡単に言えばタブレットで気軽にできる「運動×脳トレ」アプリです。定期的に実施することで認知機能に有意な変化が認められたことから、第3弾では介護施設職員や利用者の声を反映して実用性を高め、より幅広い活用に期待がかかります。
変更があったのは操作性・トレーニング内容・実施時間です。
■操作性
以前はiPadで使用するプログラムでしたが、様々なデバイスで実施できるようアプリ版(iOS)からWeb版へ移行しました。また、管理画面や動画選択画面などのインターフェースをより使いやすくリニューアルしました。全ての操作を簡単になったはずです。
■トレーニング内容
動画ラインナップは新しいものが追加されています。これは、利用者の介護レベルに応じてトレーニングの難易度が選択できるように変更されたものです。動きのガイドを付けたほか、音楽もリズムがとりやすいものにこだわってチョイスされています。
■実施時間
これまでは30分のプログラムしか存在しませんでしたが、15分バージョンが制作されました。介護施設毎の時間枠で取り組みやすくする為であり、さらに、個別動画を任意で組み合わせ、オリジナルプログラム動画として再生可能になりました。
今後は認知機能状態に応じた個別プログラムの提案やプログラム実施による身体への影響(瞬発力や筋肉量の変化等)の可視化も目指すそうで、介護施設での健康管理に更に大きく貢献していきそうです。成果が見える化すれば、モチベーションの向上にもつながりそうですね。
現段階で判明しているのは「記憶」と「注意」のドメインに優位な上昇が認められたことです。ただし、研究はプログラム2回を行った場合の測定で行われたので、長期間行うことでより多くの効果が得られるかもしれません。人生100年時代、心身共に健康で、頭の冴えた人生をなるべく長く歩みたいものです。誰もが望むも、中々難しい問題への真っ向からの取り組みに、今後も大きな期待がかかります。